些細な汚れや瑕疵も
見逃さずに直す
まさに仕上げの匠です
「洗い」と言う仕事は聞き慣れないかたも多いかと思います。
紫匠庵では、茶室づくりの仕上げの工程も、洗いを専門とする匠「洗い屋」が行っています。
その作業は、建築作業途中についた手油や汚れや、建築物についているバリなどの微細な箇所の修正を施す
仕上げのプロフェッショナルです。
木と汚れを見極め、最高の状態に仕上げます。
茶室づくりの仕上げとして、施工中についた手指の脂汚れを落としたり、建築物についているバリなどの微細な箇所の修正などを、専門の職人「洗い屋」が行います。
「洗い屋」は木の状態や汚れ具合を見定め、経験を元に独自の「灰汁」(アルカリ性・酸性の溶液の濃度を調整して様々な)や道具を使い、茶室を最高の状態にしてお客様に引き渡すことができるようにいたします。
時が経っても元の姿を取り戻し生き永らえさせる
完成後、何年も経過した建築ならば、日々の手入れでは追いつかない頑固な汚れを、特殊な技術で取り除きます。
木造の構造物は建築後も呼吸をし続けているため、その状態に応じた方法で手入れする事が必要になります。
年数経過したお茶室も「洗い」によって従来の姿を取り戻し、更に生きながらえることができます。
洗い屋
品川 修章
仕事に対しては「明鏡止水」の姿勢を目指し続けたい。
洗い屋はあくまでも脇役です。
例えば、お施主様が何本かある中から選ばれた床柱を、洗い、磨いたり、大工さんが腕によりをかけて削った天井板の杢目を、より活かすように洗い、拭きあげたり
左官屋さんが砂や土や苆(すさ)の表情を活かすよう塗った壁のちり際のヤケや汚れを洗ったり、表具屋さんが仕立てた障子や襖を開け閉めしやすくする為に敷居を洗い・磨き上げます。
畳に関しても、敷き込む前には 畳よせの上端はもちろん、ほぼ見えない横っぱらも洗い、絶対見えない床板も、何十畳の大広間でも、必ず水拭きし工事中の汚れを取っておきます。
丁寧に洗い、綺麗に磨き上げられた鏡は汚れが付きにくいですが、手を抜くと曇ってしまいます。
鏡の奥の方には、親方が見え隠れしながら目を光らせているような気がします(笑)
家業であったビルメンテナンス業に携わったことから美装業に関心を抱き、就職先の企業(ダスキン)にて近代的な作業を学ぶも、以前より興味のあった木造建築の洗いだけは、本格的に取り組まなければ手を出せないと思うようになり、その頃たまたま雑誌に掲載されていた京都の「洗ヤ 野口」を知り、門を叩きました。
30代になってからの弟子入りを許してくれた親方に今でも感謝の念を抱きつつ、現在もなお修行中です。