昨年、2階の六畳の和室に炉を切りと、壁床の施工を考えているとお問い合わせをいただきました。
お母さまの思い出が残る和室。なるべく残せるものは残してこれからの人生、お茶を楽しめる空間にしたい。とのご希望。
江戸間6畳間を4畳半(点前畳、客畳は京間)にし、床間を造作することをご提案。
京都にお越しいただき、老舗銘木屋松文商店様の吉村社長のご案内のもと、床柱、床框、落としがけをお選びしてもらい、その中でも床柱の皮付き赤松は「これ!」という一本をお選びいただきました。
襖や障子などは、裏千家職方の静好堂中島さんの工房へご案内し、表具の成り立ち、和紙の種類や石垣張の違い、唐紙の色や文様の美しさを直に手にとってお選びいただきました。
壁は白い漆喰がお気に入りとのことで、比較的綺麗なこともあり、土壁を塗ることはせず現状を維持することになりました。
水屋は数奇屋大工のアイデアで廊下を挟んだ向かい側の納戸に造り、お客様のお身体のことを考え“立ち水屋”にしました。
扉は和室に使っていた戸を引き戸として再利用し、位置は枠をそのままずらす形で既存のものを有効活用しました。