昨年、2階の六畳の和室に炉を切りと、壁床の施工を考えているとお問い合わせをいただきました。

お母さまの思い出が残る和室。なるべく残せるものは残してこれからの人生、お茶を楽しめる空間にしたい。とのご希望。

江戸間6畳間を4畳半(点前畳、客畳は京間)にし、床間を造作することをご提案。

京都にお越しいただき、老舗銘木屋松文商店様の吉村社長のご案内のもと、床柱、床框、落としがけをお選びしてもらい、その中でも床柱の皮付き赤松は「これ!」という一本をお選びいただきました。

襖や障子などは、裏千家職方の静好堂中島さんの工房へご案内し、表具の成り立ち、和紙の種類や石垣張の違い、唐紙の色や文様の美しさを直に手にとってお選びいただきました。

壁は白い漆喰がお気に入りとのことで、比較的綺麗なこともあり、土壁を塗ることはせず現状を維持することになりました。

水屋は数奇屋大工のアイデアで廊下を挟んだ向かい側の納戸に造り、お客様のお身体のことを考え“立ち水屋”にしました。

扉は和室に使っていた戸を引き戸として再利用し、位置は枠をそのままずらす形で既存のものを有効活用しました。

施工場所
東京都 練馬区
期  間
6ヶ月(工期 3ヶ月)
京からかみ

京からかみ

・瓢箪文様ゴールドキラ
・床脇、襖、天袋、仏壇収納前吊り戸、地袋に使用

雪見障子

雪見障子

・手漉障子紙石垣張を使用(裏千家)
・2枚立て → 建具 : 赤杉
🌸春に満開の桜を茶室から眺めるために

赤松 皮付き

赤松 皮付き

老舗銘木屋松文商店様でお選びいただいた一品。
床柱に使用。

太鼓襖(吊り戸)

太鼓襖(吊り戸)

・太鼓襖(吊り戸)の茶道口を造作

腰張り

腰張り

・手漉西ノ内紙
 (本来、客座の方には湊紙を貼りますが、
 白いシックな元々の壁の色に馴染ませたり、
 圧迫感の感じさせないために全面に手漉西ノ内紙を使用しています)

菊中 (照明)

菊中 (照明)

・京都の三浦照明さんに伺い、
 お好みのものをお求めいただきました。

床間(一間)

床間(一間)

・床柱 : 皮付き赤松
・床框 : 北山杉磨太鼓
・落としがけ : 赤杉
・内側壁 : 楮紙
・垂れ壁 : 漆喰
     (既存の壁に近い色目で)
(※天井: 既存のまま。下地は京都で、現地に設置後に日帰りで仕上げ塗りの工夫)
・釘一式 : 軸釘、無双釘、花生釘、柳釘、釜蛭釘
・床間照明 : 現地の電気屋さんにオーダー、設置。 

畳 (森羅万象 茶室目六四目)

畳 (森羅万象 茶室目六四目)

・森羅万象(茶室目六四目)標準を使用した4.5畳
・炉と風炉の敷き替え用に+1.5畳
・床間1畳
・縁:綿黒(金黒)
・電熱、炭両用炉壇設置。(裏千家仕様)
(炉壇受けの配線は現地の電気屋さん施工)

立ち水屋

立ち水屋

【立ち水屋】
・上下水道設備(現地の水道屋さん施工)
・棚2段 通し棚、すのこ棚
・腰板→赤杉
・竹すのこ
・銅船
・スライド式収納2段
・窓は廊下側壁をくり抜き造作 →建具 : 赤杉
・障子は手漉障子紙石垣張を使用(裏千家)
・床は既存のままで柱やチリを整えて薄畳を3枚敷き詰めました

茶室から水屋までの動線(廊下)

茶室から水屋までの動線(廊下)

・水屋〜廊下〜茶室の動線を確保
・床や壁、柱は既存のままでチリを整え、
 手前に寄せを造り畳を3枚敷き詰めました
・一部、天井の木材部分の傷みを網代と
 木材を用いて納めています
・座卓は栃の虎杢 1枚板(時代もの)
・配管カバーとの段差は木材で脚の高さ調整

お問い合わせはこちら

0120-193-145
平日・土曜 8:30~18:00
お問い合わせフォーム